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 ◆ MRI実験装置

 

MRI実験装置概要

1.はじめに

  本装置はMRI診断装置(Magnetic Resonance Imaging)の基本原理を修得するために磁気共鳴現象を実際に体験することを目的とした装置です。

  最近の医療機器分野では核磁気共鳴によるMRI診断装置が 実用化され、多くの医療機関に設置される状況にあり、核磁気共鳴現象の観測に携わる人々が NMR の原理および観測手段を学習し習得する必要が増えてきました。

 また、核磁気共鳴現象は物質の分子構造や化学反応過程、結晶構造や化学結合の度合いなどの究明に大きな役割を持つ核磁気共鳴現象観測装置は、大学の理工系学部の実験装置と して量子力学の理論の実験的検証の手段のひとつとなっています。

 弊社は、創立以来約40年、静磁界強度の精密測定器として核磁気共鳴現象を利用した高精度の計測装置を製造販売してきました。

 その技術と経験を生かして医療機器分野を学ぶ学生の方々にMRI診断装置に関する基礎実験を行えるようにと開発した装置です。

  EP-400MRI実験装置は、より多くの人々が核磁気共鳴現象を身近なものとして学習体験できる教材になるよう取扱操作を極力簡略化し、入門機として基礎的な実験項目が 習得できる新製品です。

 

2.特徴

 2.1 試料を挿入するコイル径を大きくすることにより市販の試験管が使えるようになりました。 また、コイル径が大きいので指先を挿入して人体の信号観測も行えるのでよりリアルな体験ができます。

 2.2 センサーコイルはシングルコイルを用いているのでシンプルな
    構造になっています。

 2.3 液晶モニターを搭載していますので外付けのオシロスコープ等が無くても信号観測が行えます。

 2.5 各励振パルスの幅や繰り返し時間等を数値表示しますので設定も
     簡単です。

 2.5 マグネットは電源と一体型となっており、小型軽量で持ち運びも
   簡単です。
    本セットは観測部とマグネットの
2系統で構成されています。

 2.6 RFパルスP1,P2の発生でエコー信号の観測と90°パルスによる緩和
   時間の計測が可能です。

  

3.性能

 3.1 RFパルス周波数           10MHz

 3.2 検出方式                 :シングルコイル方式

 3.3 P1パルス幅可変範囲       15μS150μS

 3.4 P2パルス幅可変範囲       30μS300μS

 3.5 P1-P2幅可変範囲          150μ〜3.5mS

 3.6 繰り返し時間             LINE50/60Hz)または200mS2S

 3.7 受信中間周波数           455KHz

 3.8 検波回路                 :包落線検波

 3.9 付属検出回路             FID信号の任意の点でS/H出力

 3.9 プローブ寸法             7(H)×17(W)×140(D)mm

 3.10 発生磁場強度             35300mT

 3.11 磁極間隙                 18mm

 3.12 磁極直径                 80mm

 3.13 磁場均一度               30μTX,Y,Z方向各5mmの範囲

 3.14 励磁電流                 0.151.5A

 3.15 冷却方式                 :空冷

 3.16 マグネット重量           :約30Kg

 3.17 対応試験管寸法           12φ×120mm

 3.18 試験管移動距離           40mm

 

4.構成

  本器は以下の様なセット内容となります。
観測波形は外付けのオシロスコープを用いるとより詳細な観測を行えます。

         

 5.試験管移動器具(オプション)

  本装置には手動で試験管を垂直移動できる装置が組み込まれています。これにより試験管内に緩和時間の異なる試料を入れて手動走査することでFID信号の変化を見ることができます。

     マグネットと移動器具

 

6.S/H回路を搭載

  EP-400にはFID信号の緩和時間を一定の条件で観測できるS/H(サンプルホールド)回路が内蔵されています。(S/H出力の観測は外付けのオシロスコープで行います)

 

7.信号観測例

 7.1 水道水のFID信号。

    

7.2 水道水のスピンエコー信号

   

 7.3 人体(指先)を挿入した時のFID信号。

    

 7.4 サンプルホールド出力を使った実験

  試験管の途中に比較的緩和時間が短い生ゴムを入れ、その上下に緩和時間の長い試料(塩化マンガン水溶液)を入れて試験管移動器具により走査させた時の信号です。

途中に生ゴムを挿入した様子

 

内蔵のS/H(サンプルホールド)回路出力を外付けオシロスコープで観測。中央付近で生ゴム信号の緩和時間が短い事を示しています。

 

   牛肉の赤身と脂身の走査信号(赤身−脂身−赤身)繰り返し。

   

 

    ※この他にもP2パルスの間隔を広げて緩和時間の計測等、いろいろな
   実験が行えます。



 

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