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    技術情報>>NMR磁場測定器の原理

 ◆ NMR磁場測定器の原理
 NMR(Nuclear Magnetic Resonance)現象は、原子核固右のスピン(I)に起因する核磁気モーメント(μ)の才差運動(ω)によるものです。外部静磁界(H)内に右核磁気モーメント物質を置くとμはHを回転軸として

ω=γ・H (γ=μ/Ih)

で表される才差運動を行います。(図1)(ここでのhはh/2πを、hをプランクの定数といいます)。

角周波数に相当する高周波磁場H1をHに直交する方向に供給するといわゆる共鳴吸収が生じます。(図2)

共鳴吸収スべクトルは、物質固有の緩和幅を有します。
本装置に用いている試料の共鳴スペクトル幅は、約10μTあります。

*LINE周波数の変調による吸収信号測定

NMR信号を観測する手段として、上記図2の静磁界(H)を電源周波数の交流磁界で変調する方法が一般に行われています。

NMR信号は、電源周波数の繰り返しを持つパルス状の信号となって図3のような形になります。

オシロスコープにこの信号を加えX軸に変調した電源周波数のランプ波を 加えると、画面の中心が共鳴点で画面両端の幅が変調幅になった信号として観測することができます。


なお、吸収信号は、微分形にして中心をベースラインゼロクロスの形にしてあります。

*自動追尾方式の磁場測定

 上記図4のような吸収信号の観測状態を作った上で、吸収信号のゼロクロス点でバルスを発生させ、変調波の中点で発生させた基準パルスと合わせて位相検波を行うようになっています。

 図4の信号が左右にずれることによって正負の電圧変化を作ることができ、これを発振周波数に負帰還してLO0Pを作ることで自動追尾の状態になります。プロープの差し込む向きによって磁界の増減方向が反転するため、校性の切替をパネルで行うようになっています。

 測定方法は、未知の磁界強度をあらかじめ想定して、その値に含まれるBANDを選択し、掃引操作を行って共鳴点に近づくと、変調幅の中に人った時点でLOCK LO0Fが動作し、中心に信号を止め、同時に掃引も停止するようになっています。

 信号の強弱は磁界分布の均一性に関係し、S/N比の良否になります。信号レべルを自動的に一定に保つ動作は約30dBの範囲を内部で設定してあります。

 位相検波は上記図5の(A)と(B)の位置関係を検出する形で出力を出すように動作し、信号のゼロクロスパルスが存在しないときは0出カとなります。

 

 


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