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  技術資料

 ◆ NMR磁場測定器を使う上での注意点
 
NMRを用いた磁場測定器は高い測定精度を誇りますが、使用する環境によっては本来の性能を発揮出来ない 場合があります。

以下に良好な測定条件と測定が困難な場合の例をあげますので、ご参考に


NMR磁場測定器に影響を与える主な要因

 @ 測定する磁場の均一性が悪い時

 A プローブ付近(またはケーブルや本体)に電波性の雑音源がある時。

 B プローブ付近(またはケーブルや本体)にパルスの雑音源がある時。

 C プローブに振動性の雑音源がある時。

 D 測定する磁場にリップルが乗っている時。

 E 測定する磁場が短時間変動を頻繁に起こしている時。


<NMR信号波形> 
この信号はNMRを用いた磁場測定をする上で良好な状態であると言えます。
このように良好な信号の場合、信号の幅が狭く、後方にウイグルと言われるビートの様な波が現れます。
 

この信号は磁場の均一度が 悪い時の信号です。
このように信号の幅が広く、全体的にノイジーとなります。
プローブの位置を均一度の良い場所に移動することをお奨めします。

この信号は、ベースノイズに リップル状の雑音が乗っている例で、磁場測定器での信号サーチが困難になります。 高い周波数の為、磁場の変動には現れなくても、NMR磁場測定器には入り込んで しまいます。
中継ケーブルに沿って大きなパルス状のノイズを出すケーブルが無いか、または電源にノイズが乗っていないかチェックする必要があります。

この信号は、ベースノイズに 高い周波数のノイズが入り込んだ例で、ケーブルの途中にノイズを発生する機器等があるときも見られます。
ノイズレベルが大きくなると信号サーチに悪影響を与えます。
このノイズが固有の周波数で観測出来る時は、NMRの共振周波数からノイズ源を確定することが出来ます。

この信号は、プローブに 振動が加わった例です。
加速器の分野では、真空ポンプ等の振動が原因としてあげられます。
プローブ先端が振動していなか確認してください。

この信号はベースにうねりが 生じた例で、磁場に電源同期した変動があると、変調が加えられた形となり、この 様なノイズとなります。
この様な波形では自動追尾が困難となります。
主にプローブの固定が不十分な時に観測されます。

この信号は磁場の均一性が 悪化した時にみられるものです。
上下対象でない信号の場合、自動追尾が困難となります。
プローブの位置を均一度の良い場所に移動する必要があります。

測定する磁場が短時間の変動 を起こしている時の信号で、共鳴信号が何重にも見えています。
この様な環境では測定値が不安定になります。
プローブ先端が振動していないか確認してください。

NMR磁場測定器はある意味で高感度な受信機であると言えます。

より良い環境で使用することにより、高い精度での測定が可能になります。
 


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