弊社では従来より多くの加速器用ベンディングマグネットを持つお客様に、弊社製NMR磁場測定器を ご利用いただいておりますが、昨今の省電力、省スペース化に伴うマグネットの小型化により、センサープローブを入れる隙間が減少する傾向があり、センサープローブの設置が難しいケースが増えております。
また、従来から設置してありますマグネットに関しては、まったくNMRでの測定を考慮されていないマグネットに対しても加速ビームの安定化を計る上でNMR磁場測定器での磁場計測を行いたいとのご要望が高まる中、磁場の均一度が良好な場所への取り付けが不可能な環境への対応が課題となっておりました。
そこで、従来では変調幅を上げるなどして、見かけ上での信号強度を稼ぐ方法を試みてまいりましたが、磁場均一度の悪化した空間ではセンサーの検出感度を上げてS/N比が落ちることにより、ノイズを受けやすくなる、振動に対して敏感になる等のデメリットを生じるケースがありました。
そこで弊社ではなんとか磁極の中心付近までセンサーを挿入出来ないかと考え、この度「超薄型プローブ」の開発に着手することにしました。
下の写真は開発中のセンサープローブの画像です。
このプローブでは先端の厚みが1.5mmとなっておりますが、最終的に1mm近くまでもっていこうと考えており
ます。
下の画像は従来型プローブの測定位置と、「超薄型プローブ」での測定位置です。
この様に磁極中心にセンサーを置くことが可能なので従来ではNMRでの測定が不可能だったマグネットにも
対応出来ることがおわかりになると思います。
また、現在予想している性能的仕様は以下の通りです。
測定範囲 |
0.3T〜1.5T程度で最低測定値から1.5倍の範囲 |
先端部寸法 |
厚さ1〜2mm / 幅約20mm |
試料 |
プロトン |
変調幅 |
1.5mT |
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